小説の中の役行者2
黒岩重吾氏の「役小角仙道剣」(新潮文庫)で初めて
知ったことがある。
それは、役行者は仏教信者ではないということだ。
山岳修行者だからといって、仏教徒とは限らないと
いうのだ。
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役行者が宗教界に属さなかったことは知っていた。
あまりにも仏教界が政治と密着していたため、
欺瞞を感じたと書かれていたが、それも想像に難く
ない。それゆえ仏教界から離脱して、一人道を究める
生き方を選んだのだろう...くらいに思っていた。
しかし、黒岩氏は役行者は仙人になるべく修行をして
いたという。
仙人というのは漢民族の土着の信仰と密接に関わる
道教の道士である。
東漢人や西漢人が日本に渡来してきたのが5~6世紀
と言われているから、道教もその頃日本に入ってきた
のだろう。
道教は、密教や陰陽道もその流れを汲むように、自然
との一体化(道=タオ)により、自然から力を得て超人的な
力(呪術という言い方をしている)を発揮することだ。
黒岩氏は役行者は所謂仏教僧ではなく、道教の道士と
考えておられるようだ。
役行者が後に伊豆の流刑地から宙を飛んで富士山の頂上
へ、毎晩登っていった...という伝説があるが、富士山で
修行を行ったようだ。
日本人は富士山に対して特別な思いがあるが、その富士山
を思う時、その影には役行者が存在することを意識せずには
いられない。
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