石上朝臣麻呂1
役行者と不比等、この二人を目障りと思う人物。
また、この二人が胡散臭いと思っている人物。
それがこの男、石上朝臣麻呂だ。
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黒岩氏は、この三人をそれぞれの立場から書いて
いるが、この石上朝臣麻呂を「闇の左大臣」という
副題とともに小説にした唯一の人だろう。
そして、この著作が絶筆となっている。
役行者は律令制に牙を剥く呪術師として人民を扇動
したとして、不比等と麻呂からすれば共通の敵となる。
黒岩氏の小説で、役行者が葛城山から出て行くことを
取引条件とすべく、役行者の女弟子を攫い人質にする。
しかし、持統女帝が役行者の能力を必要とし、彼の逮捕
に待ったをかけると、彼の弟子を人質にしたことが逆に
女帝の不興を買うことを恐れ、攫った女弟子を監禁・隠匿
するようになる...という事件の創作があるが、この事件の
黒幕が石上朝臣麻呂だとしている。黒岩氏はこの男を狡猾
な策士の一面を持つと考えているようだ。
後に、伊豆へ流刑の判決を言い渡すべく役行者を誘き出す為に、
彼の母親を人質にとったという事件がおこる。これは伝承にも
残っている話であるが、彼の母親を攫い、役行者を葛城山から
追い出そうと画策したのは、他ならぬ役行者の身内、鴨氏だった。
朝敵となった小角は鴨氏にしてみたら一族の名を汚す迷惑者で
しかなかったのだろう。
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