隠れ物部
石上朝臣麻呂の氏族、物部氏は既に一度滅んでいる。
しかし、物部は巨大組織のようで全体が掴めない。
石上朝臣麻呂は石上物部のそのまた支流である。
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石上という名前からピンと来るだろうか。
以下はWikipediaからの引用である。
「古代の山辺郡石上郷に属する布留山の西北麓に
鎮座する。非常に歴史の古い神社で、『古事記』・
『日本書紀』に既に、石上神宮・石上振神宮との
記述がある。古代軍事氏族である物部氏が祭祀し、
ヤマト政権の武器庫としての役割も果たしてきた
と考えられている。古くは斎宮が居たという。
その中で、本当に斎宮であったかどうか議論が多い
が、布都姫という名が知られている。」
軍事的役割を担う物部氏が、祭祀を司るというのも
不思議である。
黒岩重吾氏の小説の中で、「隠れ物部」という言葉
が頻繁に出てくるが、蘇我氏に敗れ、奴婢となって
各地に散らばった物部の残党が、石上朝臣麻呂の間者
として役立つという設定になっていた。
実際一つの氏族を根絶やしにすることは難しい。まして
物部ほどの大氏族ともなれば、一民族を滅ぼすにも
等しい難事だろう。
そして、物部氏はしたたかに生き延びる。
饒速日命を祖にもつ物部氏、この饒速日命(ニギハヤヒノ
ミコト)は部下のナガスネヒコを裏切って殺してしまう
神である。それゆえ卑怯な裏切り者の汚名を、物部氏は
誰しもが背負っていたのかも知れない。
黒岩氏の「闇の左大臣」の中で、石上朝臣麻呂が自分の
中に饒速日命を見ることもあり、それを憎む自分もいる
という、自己矛盾を内在する人物として描いている。
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